講座ブログ

日本児童文学学校に参加して

「夢でいっぱいの教室」 藤村沙希

    

 今から12年前、私は「日本児童文学学校」に参加しました。それまで地方で創作に励んでいましたが、思うようにいかず、思い切って新潟から通うことにしたのです。

 作家の先生方から話を聞けるだけでわくわくし、作品講評の時間には他の人に言われた講評もせっせとメモしました。帰りの新幹線から見える夜景がきらきらと美しく、それを眺めながら「いつか自分の本が出せたら」と夢が膨らんでいきました。

思えば、そこがスタートでした。その後も、本を出すどころか、書いても書いてもうまくいかず、次なる勉強の日々だったからです。

 そして、一昨年、夢が叶い、とうとう本を出版することができました。小川未明文学賞で大賞を受賞することができたのです。12年前、「文学学校」で提出する10枚の原稿に四苦八苦していた私が、いつのまにか100枚を超える原稿を書くようになっていました。書くのに四苦八苦しているのは今も変わらずですが。

「創作は教えられない」というのはその通りで、結局自分で書くしかありません。ですが、他の人たちから刺激を受けたり、作品を見てもらう、という機会は大事だと思います。

「文学学校」では書き始めた人から、すでに本を出した人まで様々な人たちがいました。「プロになりたい」「こういったことを書いていきたい」「身近な子どもにお話を作ってやりたい」と、参加した思いも様々ながら、その夢を叶えようと頑張る人たちが集う素敵な場所でもありました。読み手としても先生方のお話が聞ける、またとないチャンスなのです。

これを書いている今、私もまた今後の自分のために参加したくなってきました。 

(第37期 日本児童文学学校・参加)

2021/02/27