講座ブログ

おめでとうございます!

児童文学学校の扉の向こうに いまたあきこ

 

 はじめまして。このたび、デビュー作「きっと、大丈夫」を文研出版さんから出版していただいた、いまたあきこです。「いつか自分の本を出したい」という長年の夢が叶ったのは、ひとえに日本児童文学者協会の講座を受講したおかげです。

私は幼い頃から書くことが好きで、作家になるのが夢でした。ずっと憧れはあったものの、なかなか一歩を踏み出せずにいたのですが、あるとき児童文学学校のことを知り、思い切って第42期児童文学学校に申し込みました。講座は毎回が刺激的でした。児童文学の第一線でご活躍されている先生方のお話に聞き入り、受講生たちの作品を読み込み、自分の意見を伝える。しかも講座の後には憧れの先生方と一緒に喫茶店で談笑できる(!)。今思えば、この貴重な経験のすべてが、物語を紡ぐ上で大切なことばかりでした。文学学校修了後、42期の同志で同人「よつば」を立ち上げました。現在も2カ月に1度、合評会を行っています。同じ志を持った仲間に出会えたという点でも、文学学校に参加して本当に良かったです。

その後、第62期と63期の創作教室に参加しました。このとき講師を務められた高橋秀雄先生、松本聰美先生、安東みきえ先生、中野幸隆先生には大変お世話になりました。創作教室は色々な意味で本当にすごい講座でした。実力も熱意もある強者たちに囲まれての合評。しかも1カ月に2回の講座なので、書く量も読む量も(1人60枚まで提出できるので……)“半端ない”です。このときの、とにかく書いて、読んで、先生や受講生たちの鋭い意見を胸に刻み(ときにズーンと落ち込み)、受講生たちの個性豊かな作品について考えぬいた経験が、視野を広げ、書く力を伸ばしてくれたのだと思います。創作教室修了後は通信添削講座を受講しました。松本聰美先生にご指導いただきながら、自分の作品ととことん向き合うことのできた貴重な1年になりました。

その後もこつこつと創作を続け、児童文学賞の公募で初めて最終選考に残ったり、「5分ごとにひらく恐怖のとびら百物語」(文溪堂)の公募では入選することもできました。また、高橋秀雄先生のご助力もあって、文研出版さんへ作品を持ち込むこともできました。それから4年ほどかかりましたが、ご担当編集者さまが根気よく、あたたかく導いてくださり、ついに出版することができました。ご助言をもとに原稿を何度も書き直したこと、憧れの黒須高嶺さんが挿絵を引き受けてくださったこと、挿絵のラフ画を見せていただいたこと、表紙や目次のデザインが決まっていく様子。ひとつひとつの過程が本当に楽しくて、ものすごく勉強になりました。たくさんの方のご尽力によって完成した本を手にしたとき、「ついにここまできたんだ」という満足感と、嬉しさと、まだまだ信じられないような気持ちで胸がいっぱいになりました。

日本児童文学者協会の講座を受け、たくさんの人たちとの出会いがあったからこそ、夢を叶えることができました。あのとき、日本児童文学学校のとびらをたたいて本当によかった。心からそう思います。

2021/07/06