講座ブログ

一日講座・感想

絵本テキストを学ぶ  原 結子

「めざせ!絵本テキスト大賞 公募の壁を突破しよう!」に参加してきました。

今回の講師は、絵本テキスト大賞選考委員である童心社の大熊悟編集長、大賞受賞者の3名(清水真裕さん、かねまつすみれさん、渡辺朋さん)、そして、きむらゆういち先生でした。

大熊編集長からは、絵本の世界を豊かにするために児童文学作家の力が発揮される3つのポイントのお話がありました。“画”ではなく“テキスト”で絵本にアプローチを目指す受講生としては気になるところです。すなわち、①美しい言葉 ②子どもの思いのくみ取り ③骨太な、骨格をもった物語。例えとして挙げられたのは『おしいれの冒険』と『いないいないばあ』。ついで、選考をする上での基準のお話がありました。こちらは協会の機関誌『日本児童文学2017年3・4月号 特集絵本テキスト考』で編集長が書かれていたエッセイにもう一歩踏み込んだ内容でした。

受賞3名の方々のトークショーでは、受賞までになさってきた工夫や努力をお伺いできました。お話の仕方がひとりひとり個性的で、受賞作品に通じるものがありました。清水さんは端正な言葉で、かねまつさんは歌舞伎調なシメを、渡辺さんは手書きのコマ割やデモを。笑いあり共感ありのお話に会場は盛り上がりました。第9回大賞受賞の森くま堂さんの飛び入り参加もありました。

きむら先生のお話は、創作と日々の生活を深くつなげていらっしゃることが印象的でした。生活の中で深めた考えや気づきが作品の核につながっていくそうです。記憶に残るフレーズもありました。「全ては日常の中にある」「新しいものは目の前にある。気がつくだけ」「嫌なやつが人を育てる」など。

絵本を創る上で立ち位置の異なる方々から、いちどきにしかも多角的にお話が伺えるのは、1日講座ならではの魅力です。本当に実のある講座でした。惜しみなくお話をしてくださった講師のみなさま方に感謝申しあげます。

 

2019/03/20