講座ブログ

公募入選、おめでとうございます ②

駅伝の如く   空 千佳子

 

出発点は、二十年ほど前の満月の夜。子どもたちを守りたい、という強い思いに駆られた。その数年後に、日本児童文学者協会に入れていただき、一日講座や実作通信講座を受講した。

多くの尊い同志と学び合い、無数に応募し無限に落選。締切りに追われ、目が回る日々。

「頑張ろう!」「もっと頑張ります!」「頑張りましょう、次回こそ!」

言い飽きるほど言ったし、聞き飽きるほど聞いた。

なぜ、頑張ってるんだっけ? ねえねえ、頑張るって何⁈

でも、『5分ごとにひらく恐怖のとびら 百物語』第二期に応募して、ようやく気が付いた。今まで、頑張っているフリをしていただけだった、と。

本当は、締切り二週間前に、一作品だけで応募しようとしていた。

ところが、あることが引き金になり、ひとり駅伝モードに突入。

「お前はもっと頑張れる」「俺はまだ生きてる」「お前、走れ!」「俺、走る~っ!」

もう踏ん張れないという時点から、更に踏ん張ってみた。初めての体験だった。

ギリギリで、三作品に増やして応募し、秋に結果が出た。

二週間で書き上げた内の一作品だけが入選し、残りの二作品は落選。

嬉しさ半分、焦り半分。なんで、ひとつだけ? 他のふたつは、なんで、だめ? 

いやいや、おごるなかれ。『三分の二は圧倒的に実力不足』というメタファーなのだ。

今、静かに、出発点の自分と向き合う。微力でも書き続けたい。子どもたちを守りたい。

すぅう、はぁあ……呼吸を整え、次の駅伝へ。

2022/02/04