講座ブログ

2020年01月

児童文学作家の座談会

児童文学者協会の創作教室を終えたあと、作家になられた佐藤佳代、田部智子、にしがきようこ、濱野京子の4人の座談会の様子がネットにアップされています。

株式会社内田洋行が運営している非営利の教育者向けポータルサイト「学びの.com の中のコンテンツの1つに、様々な業界の方にいろいろな視点で教育について語る、教育インタビューというコーナーがあるのですが、そこでの座談会、だそうです。

4人は創作教室のあと、チームあほくさというグループをつくり、互いに刺激しあって、活動されてきました。その仲よしぶりが座談会からもうかがえます。

また、児童書についての思いも語られています。ぜひ、読んでください。

座談会 前編 こちら

座談会 後編 こちら

 

2020/01/26

第48期日本児童文学学校・講師より

4月からの第48期日本児童文学学校の講師をつとめてくださる如月かずささんに書いていただきました。実は児童文学はあっとう的に女性作家が多く、如月かずささんは、数少ない若手男性作家のひとりです。文学学校には初登場です。如月かずささんの講義は、8月23日です。キャラクターがうまく立ちあがらない、物語の中でうまく動いてくれない、などと思う方、ぜひ、いらしてください。

魅力的なキャラクターとは? 如月かずさ

 昨年の11月に、大沢在昌さんの人気シリーズ「新宿鮫」の最新刊が8年ぶりに発売されました。中学のころから読み続けているおきにいりのシリーズ。年末に夢中で読みました。事件の展開も先が読めなくてとてもおもしろかったのですが、なにより主人公の鮫島が素晴らしく格好良いんですよね。
「新宿鮫」だけでなく、昔から大好きになる作品の中心には、魅力的なキャラクターがいました。小学校時代に愛読していた「ズッコケ三人組」のハチベエ・ハカセ・モーちゃんや、ムーミン谷の仲間たち。中学のときに出会った私立探偵スペンサーは、いまでもいちばん好きなキャラクターです。高校時代には散々ミステリーを読んでいましたが、森博嗣さんの「S&M」シリーズや京極夏彦さんの「京極堂」シリーズなど、探偵役の個性が強いものが特におきにいりでした。
 そんなふうに魅力的なキャラクターたちのいる物語を好んで読んできましたから、自分自身の創作においても、キャラクターという要素はとても大切にしています。「こういうキャラが書きたい」というところから出発して物語を組みあげることもよくありますし、なかなかはかどらなかった作品が、主役のキャラクターにぴったりの声が見つかっただけで、驚くほどスムースに進むようになることもあります。
 というような話を事前にしていたわけではないのですが、第48期の日本児童文学学校では、キャラクターについての講義を担当させていただくことになりました。講演は多少慣れてきたのですが、文学学校の講師というのは初めての経験です。緊張もありますが、ご依頼いただいたからには、受講される皆様の役に立つお話をできるように全力で準備をするつもりですので、奮ってご参加いただけましたら幸いです。

2020/01/15

第48期日本児童文学学校・講師より

4月から開講する第48期日本児童文学学校は、申し込みを開始しています。この講座で講師をつとめてくださる中から 初参加のおふたりに、エッセイを書いていただきました。今日は佐藤まどかさん、15日には如月かずささんを掲載します。

佐藤まどかさんは、なんとイタリア在住。グローバルな視点が新鮮な作品を書かれます。5月17日、日本に来るときにあわせて、講義をお願いしました。この機会をおみのがしなく。(ビジターで一回だけの受講もできます。事務局に問い合わせてください)

 

イタリアからこんにちは  佐藤まどか 

2020年。こう書いてみると、インパクトのある数字ですね。こんな未来的な数字の年にまだ生きているとは、若い頃の自分には想像もできませんでした。大昔に観た数々のSF映画の世界のようには幸いまだなっておらず、一見それほど変わっていません。車はまだ地を這っているし、人間そっくりのアンドロンドも闊歩していないし、AIは明日の天気予報さえも間違える。でも、2020年という数字を見れば、なんだかワクワクしてきます。

この記念すべき新年を、久しぶりに日本で迎えることができました。一時間以上待ってつかせてもらった除夜の鐘、冷えた身体に沁みた熱々の甘酒、懐かしいおせち料理に三つ葉の香りのお雑煮。至福の「ザ・日本の正月」を味わいました。

一方、イタリアのお正月はあっけないものです。カロリー過多のご馳走と、年越しそばの代わりにレンズ豆煮で翌年の豊かさを祈り、カウントダウンには大抵友達や恋人同士で友人宅やパーティに参加し、花火とおしゃべり、スプマンテ(発泡酒)とパネットーネ(もしくはパンドーロ)ケーキで乾杯をします。そして1月2日からもう仕事開始! ですが、私は日本式のお正月のほうが好きです。
 

 さて、五月に文学学校の一日講師を務めさせて頂くことになりました。お話を頂いた時は、なにか講義(抗議なら得意ですが)ができるのか、しばし悩みました。そしてふと思いついたのが、「だれのために書くのか」というテーマです。以前、ベテラン編集者さんから、この点で問題のある投稿作品が多いと伺ったことがあるからです。

児童文学は、対象年齢によってテーマもコンセプトも書き方も違います。漢字をトジル、ヒラク、というような表記の問題だけではなく、例えば0歳児用の絵本に「死」や「恋」をテーマにしたり、YA小説に「うんち遊び」の話は難しいでしょう。もちろん、絶対無理ではないでしょうけれど。また、字数の制限や、それによる登場人物の人数の限界や、使える語彙など、考えるべきことはたくさんあります。

今まで、絵本から幼年童話、中・高学年向け読み物、YA長編、そして中高生新聞連載小説に至るまで、いろいろな年齢の子どもたちを対象に物語を書いてまいりました。執筆活動の中で気づかされたことや苦労したことなど、皆さんの執筆活動のお役に立てるような具体的なお話をさせて頂きたいと思います。

東京で皆さんにお会いできることを楽しみにしております!

 

2020/01/10

創作教室 第71期 講師より

あけましておめでとうございます。

年が明けまして、新年度の日本児童文学学校、創作教室、実作通信講座の案内をホームページに掲載しました。申し込みは1月6日からです。興味をもたれたかた、ふるってご参加ください。近年は地方からの参加も増えています。

4月からの創作教室、第71期の講師のひとり、濱野京子さんはご自身も創作教室、ご出身です。同じ教室から人気作家がたくさん生まれ、今一線で活躍されています。

新年、初めの講座ブログは、濱野京子さんに創作教室当時を思いだして、書いていただきました。

創作教室の思い出 濱野京子

 ふとしたはずみで、児文協の創作教室に通うことになったのは、2004の秋でした。10月16日、緊張しながら、はじめて神楽坂の事務局に足を踏み入れたのですが、室内を見わたしてびっくり。こんな雑然としたところで?? 正直なところ、なんだかなあ、と思ったものでした。結果的には、通ったことは大正解でした。何よりも、生涯の、といえそうな仲間と出会うことができました。

当時は事業部長が最初と最後の回を受け持っていたので、私が始めて出会った講師は、事業部長だった加藤純子さんです。口癖は「読んで、読んで、書いて」。「読んで」が一つ多い意味を、今も時々かみしめています。

私が通った40期、41期の受講生で、その後、作家デビューを果たした人が7人います。40期からは工藤純子さん、イノウエミホコさん、佐藤佳代さん(佐藤さんとは41期も一緒でした)、池田ゆみるさん。そして41期では、田部智子さん、にしがきようこさんです。

 一期半年でやめるつもりが、もう半年続ける気になったのは、講師のお一人だった最上一平さんの講評が面白かったからです。私の作品に対して、ということではありません。受講者のレベルにはばらつきがあって、中にはまだ書き始めてさほど間がない方もいたのですが、そういう方には少し優しく、手練れにはやや厳しく。コメントのさじ加減が絶妙でした。

 この頃の様子は、田部智子さんが、このブログに楽しく紹介してくれていますので、合わせて読んでみてください。

 創作教室に「空はつながっている」という短編作品を提出したことがありました。これは、何かに応募するといった目的もなく、本音をいえば、社会にコミットする意識が希薄な人への挑発的な気分もあって出したのですが、最上さんから、児文協の〈新しい戦争児童文委員会〉が短編作品を募集しているので、応募するようにと勧められ、後に「おはなしのピースウォークシリーズ」の第三巻に収録されることになりました。

 41期の途中で、単行本のデビューが決まり、翌年、初めての本が出版されました。その後、つぎつぎと仲間のデビューが決まっていくことになります。

 創作教室には波があって、活発な期と、さほどでもない期があるようです。活発な時期というのは、たぶん、受講生同士が仲良くなっているのではないかと、何となくですが感じています。今も、上に名を挙げた方々は、刺激し合える仲間として、とてもありがたい存在です。

 書くというのは、本来孤独な作業です。夜に自分の作品を過大に評価したかと思えば、翌朝にはすっかり自信を失ったりするもの。そんな時、冷静にアドバイスしてくれる仲間はありがたいものです。それより何より、あの人も、くじけそうになりながらも、頑張っているのだな、と思うことが自分を支え、また励みになるものです。

 このたび、思わぬ形で、創作教室という場に戻ってくることになりました。71期が、後々、活発な時期と言われるよう、受講生のみなさんとともに、充実した時間を過ごせることを願っています。  

 

2020/01/06