講座ブログ

2020年06月

これからの講座

日本児童文学者協会は藤田のぼる理事長をむかえての新体制。

そんな中、事業部もいくつかこれからの講座を考えています。

リモートがっぴょう会という在宅応援の講座もあります。

人が集まる講座をやっていた事業部は、ウィズコロナとなり企画がむずかしいのですが、それでも役立つ講座をつくろうと頭をしぼっています。

今週末か、来週はじめにもアップしますので、注目してください 赤羽

 

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2020/06/30

おすすめ本の紹介 ⑪

『わたしが子どもだったころ』いずみたかひろ  

 

コロナ禍で,子どもたちは通常の学校での学びができない。学校は,子どもたちにとっては認知能力を獲得するのみならず,非認知能力をも獲得するかけがえのない空間である。ボクは,個人的には,この非認知能力を学ぶことこそが子どもたちにとって,いや人間にとって重要ではないかと考えている。 

遊びやケンカを通して,友達とのかかわり方を学んだり,友達が転んだのを見て自分のことのように痛みを感じたりする心は,人が生きていくうえで,学んでいかなくてはならない大切なファクターではないだろうか。子どものときに読んだいい方がいい本は子どもの時に読むべきだし,子どものときに体験した方がいいさまざまな体験は,子どものときにできる限りたくさんした方がいいと思う。大人になってからでは,遅すぎることもある。

『わたしが子どもだったころ』は,1957年に出版され,この作品がきっかけで,ケストナーは,1960年に「国際アンデルセン賞」を受賞している。『わたしが子どもだったころ』には,ケストナー家の系譜,革細工店を営んでいた父母の出会いから始まり,ケストナーの誕生,体操が得意だった少年時代の頃のことが語られる。ケストナーが,15歳を1914年に迎える。その戦争で,「子ども時代」が終焉したととらえている。

作品に描かれた世界は,当然,ボクたちの子ども時代とは異なるものの,子どもたちの生きる呼吸やエピソードの数々は,子ども時代に経験しなければならないことでは,同じ世界だろう。

花束を買って「うれしさのあまり大声で『ママ!』と叫んだ。とたんに,足をすべらせて,ころんだ。まだ口をあけてどなっているところだったので,あごにがくんときた。階段はミカゲ石でできていたけれど,わたしの舌はミカゲ石ではなかった」という笑うに笑えないシーンがある。

舌をかみ切るという大怪我をするのだが,そんなの大変な出来事でさえもユーモラスにケストナーは描くのである。子ども時代は,大なり小なり怪我というアクシデントに見舞われる。そこで,周りの深い愛情に触れて「生きる」ということを学ぶのである。こうした非認知能力が,人としての大事な部分ではないだろうか。

恩師のレーマン先生を描く場面では,「レーマン先生は,冗談を言わなかった。冗談を解しなかった。私たちがぶっ倒れるほど宿題でいじめた」と,先生を的確にとらえている。いつの時代も,子どもはよく大人をとらえている。子ども時代のエピソードに満ち溢れた作品である。

ケストナーは,人間の葛藤やドラマを描くというよりは,ややきめ細かく報告するようなタッチで描いている。それだけに,その時代の息吹が,逆に照射される作品ではないだろうか。ナチスを公然と批判し,著作が発禁となっても抵抗するケストナーの反骨精神は作品の描き方にも表出しているように思う。

因みに,『わたしが子どもだったころ』にも「ペストが町を襲い,一家の半分を奪い去った」という一文があった。いつの時代にも,ボクたちや子どもたちの日常を脅かすウイルスの存在を改めて思い知らされた。 

『わたしが子どもだったころ』 エーリヒ・ケストナー作 高橋 健二 訳

 

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2020/06/23

今、事業部は?

新型コロナウィルスの感染の広がり、自粛要請がでて、今年はたくさんのイベント、講座が中止になりました。

事業部主催の日本児童文学学校は、中止、創作教室は、4月からの教室が10月からへと延期になりました。

とてもさびしい状態で夏をむかえています。

ただ、そんな中でも、できることはないかと、事業部も動き出しています。

感染予防に気をつけながら、秋に一日講座を開催すべく、企画をたてています。7月には、発表できると思います。

また、がっぴょうけんがなくて、残念だったという声にこたえるべく、オンラインでがっぴょうかいができないかと、部員で意見交換を始めています。オンラインについては、部員どうしの知識に差があるので、若手におしえてもらう形になっています。事業部の若手はたのもしいので、いろんな意見をだしてくれています。

今年はコロナで残念な年ではなく、新しいことにチャレンジできた年にすべく、今、がんばっているところです。

今後の予定もこのブログで発表していきますので、時々、のぞいてください。

 

また、ひきつづき、日本児童文学学校、創作教室、卒業生の声なども募集しています。

「わたしも書きます」とひと声かけてください。

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2020/06/19

デビューをめざす方々へ

 毎年、日本児童文学者協会では、がっぴょうけん(合評創作研究会)を開催し、作家、編集者いっしょになって、より子どもたちの心に届く作品をさぐっています。しかし、今年は新型コロナウィルスのため、開催を断念しました。残念だという声をたくさんいただきました。

 そんなおり、毎回、がっぴょうけんに協力してくださっているフレーベル館の渡辺舞さんが、今の状況に負けないで、新しい物語を書いてくださいと声をかけてくださいました。フレーベル館は、フレーベル館 ものがたり新人賞 という公募で新人作家を応援してくれています。ぜひ、みなさまの物語をふるって応募してほしいということです。

 

 フレーベル館ものがたり新人賞は、会社の創業110周年を記念し、2017年に創設。第3回目からは隔年開催で応募受付しているそうです。

 第一回受賞作『右手にミミズク』、第二回受賞作『あの子の秘密』ともに、多くの方から注目される話題作で、輝かしいデビューとなりました。わたしも読みましたが、どちらも新鮮で読み応えのあるものでした!

 新型コロナウィルスで思うように外出もできない今は、物語を書くチャンスかもしれません。

チャンスの前髪は逃げやすいといいます。

この夏、勇気をだして、前髪をつかみとるべく、一步ふみだしてください。(赤羽)

応募をおまちしています! 渡辺舞

クローゼットを開けて洋服をかきわけるとき、

いまでもときどき、「奥に異世界への道がつながっているんじゃないか」と思うことがあります。

ミシンが立てる音が「たったかたあ」と聞こえたり、ラッパのファンファーレに「テレレッテ、プルルップ…」と節をつけたり。

 

子どものときに児童書からもらったみずみずしい風景や音が、おとなになったいまでも、自分のなかに息づいていると感じる瞬間です。

 

みなさんのなかにも、きっとそういう原体験があるからこそ、

子どもたちのための物語を紡いでいらっしゃるのだと思います。

「フレーベル館ものがたり新人賞」は、そんな感性から生まれた作品をお待ちしています。

 

でも、お送りいただくまえには、

「子どもに寄り添う目を忘れていないか?」

「おとなの自分がじゃまをしていないか?」

原稿をなんども読み返して推敲し、作品と向かいあってください。

 

今を、そしてこれから先の未来を生きる子どもたちにひびく物語とのたくさんの出会いがありますように。

みなさんの作品を、心からお待ちしています!

 

 

 

 

 

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2020/06/13

おめでとうございます!

児童文学学校で得たもの  ちゃたに恵美子

 

ずっと前から心にあった、「子どもの本を書きたい」という気持ち。けれどどのように書けばいいのか、人に読んでもらえるような作品を書けるのかと怖がる気持ちばかりが先に立ち、手探りの状態で過ごす中で、この日本児童文学学校の講座案内を見つけました。

児童文学の書き手の方々に直に教えていただける機会、でも私の住む関西からはちょっと遠い……。悩んだあげくに「えいやっ!」と申し込み、私は日本児童文学学校の40期生となりました。

月に1回、関西と東京とを往復するのは大変でしたが、先生方の講義は毎回興味深く新鮮で、こんな切り口や発想があるのか!と驚かされることの連続でした。なにより、実際に作品を生み出している先生方の言葉には説得力があり、悩んでいても仕方がない、書いて前に進むしかないのだ、と力強く背中を押されたような気持ちになりました。

また、同じ講座に集う方々と知り合えたことで、私の世界は大きく広がりました。年齢も性別もばらばらで、でもそれぞれ「書きたい」という強い気持ちを持っていて、真剣に創作に取り組んでいる。そんな同期の方々と卒業後も合評会を行うようになり、作品を互いに合評しあうことで、様々な気づきを得ることができました。

他の人の作品を読んで自分の意見を伝え、いただいた意見をもとに自分の作品を書き直して、また合評にかけて……。そんな繰り返しの中で客観的な視点が身につき、書くことへの怖れも次第に消えていきました。そして、自分の書き方のくせや弱点、自分の持ち味のようなものも少しずつ見えてくるようになりました。そうした積み重ねの結果、今回、第35回福島正実記念SF童話賞で佳作をいただくことができました。

まだまだ道のりは長いけれど、悩んだときには児童文学学校で得たものを道しるべとして、これからも書き進めていきたいと思います。

第35回福島正美記念SF童話賞 佳作おめでとうございます!! 卒業生の活躍、とてもうれしいです。(赤羽)

 

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2020/06/01