講座ブログ

2021年10月

秋の一日講座 佐藤まどかさんより

イタリアからこんにちは  佐藤まどか

コロナ禍も長引き鬱々としますが、オンラインによるトークやイベント、ミーティングが定着したのは素晴らしく、どこからでも気軽に参加できていいですよね。

11月28日のオンライン一日講座・第1部で、大阪の令丈ヒロ子さんに続いてイタリアからお話をさせて頂きます(時差があるので、こちらは朝です)。また第2部では、東京の赤羽じゅんこさんもご一緒に三人でトークをさせていただきます。


 第1部で私がお話ししたいのは、「失敗は種」ということについてです。人生や執筆上の失敗は種であり、水を与えなければそのまま死にますが、水や肥料をせっせと与えればやがて大きな実がなるかもしれません。(成功という言葉が苦手なのであえて種と呼びます)。自分の失敗や苦労話をもとに、具体例をお話ししていく予定です。打たれ強い精神力は大事ですが、受け身を覚える(痛みを減らす技)、攻め技(自分の得意なものを見極める)を覚えるというポイントもあるのではないでしょうか。この後者に関しては、「誰に向かって書くのか」という、対象年齢のことにも触れたいと思います。

 

令丈さんは作品がTVアニメや劇場版アニメ、ドラマ化もされた超売れっ子作家さんです。一方私はちょっと変わった児童文学、主にYAを書いております。また赤羽さんは児童文学作家の大先輩です。第2部では、違いながらも互いに影響しあって、参加者のみなさんの執筆エネルギーが倍増するような3者トークにしたいと思います。「みんな書き続けよう!!」という講座のテーマ通り、書き続けていくための参考になれば幸いです。

 事前に質問も受け付けておりますので、日本児童文学者協会宛てにどしどしお送りください。皆様のご参加をお待ちしております!

 

佐藤まどかさんは、昨年、日本児童文学学校の講師にきていただきたいとお願いをしました。それがコロナのため、日本に来ることができなくなり、とてもざんねんに思っていたのですが、今回、オンラインイベントで、登壇してもらえることになりました。

人間よりヒツジが多いところに住んでいるとおっしゃられる佐藤まどかさん。イタリアにいながら、日本の子どもたちの心理をどうつかんで書いていっているのか、本音にせまりながら聞いてみたいと思います。

質問もどうぞ! お待ちしています。

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2021/10/17

秋の一日講座 令丈ヒロ子さんより

秋の一日講座によせて 令丈ヒロ子

こんにちは、令丈ヒロ子です。コロナウイルスの影響で、リモートによる打ち合わせや取材、イベント出演などのお仕事が増えました。時にはトラブルに対応できなかったり不便なこともありますが、とてもよいこともあります。

 

十一月の秋の一日講座で、イタリア在住の佐藤まどかさん、東京の赤羽じゅんこさんと、オンラインライブをすることになったのです。お二方ともお会いしたかったし、以前から、一度じっくりお話できたら楽しいだろうなと思っていましたので、これが実現できるのは嬉しい!

 

 どんなお話をするか、お二方と事業部のみなさんと話し合いをした結果、書き手、また作家志望の方に元気になってもらえるようなお話がいいんじゃないかと、おおいに盛り上がりました。

『みんな書き続けよう!!』というタイトルも、その思いからです。

 

わたしの目標は、読者に「明日も生きる!」気持ちになってもらえるようなお話を書くことですが、それを目指すようになったきっかけ。また、ぶつかった壁や、ブラックな体験。(シリーズものの依頼で三冊分、約1000枚書いたが、ボツになったとか……思い出してもへこみます。)エンタメと児童文学のちがいってなに? 今、創作について考えていること、などなど。

この機会に今まであまりしたことのないお話をさせてもらおうと思います。

 

質問にも佐藤さんといっしょにお答えします。創作に関する迷いや悩み、また創作以外にことでも、できるだけお答えしたいと思いますので、お寄せ下さい。ご参加お待ちしております!!

 

秋の一日講座は人気があり、早くから申し込みをいただいておりますが、まだまだ申し込みを受け付けています。

オンラインで見逃し配信もあります。作家の本音が聞けるこの講座、ぜひ、ご参加ください。

あなたの質問に、人気作家が答えてくれます。どんな質問でもOK (執筆、読書、子どもに関すること)

質問は、メールで児文協事務局に申し込みください。一日講座質問と書いて、本名でお願いします。

まだまだ空きがありますよ。

ふるってご質問をお待ちしています。

 

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2021/10/14

最優秀作品、おめでとうございます。

第49期 日本児童文学学校の最優秀作品をとられた作者に、喜びの言葉を書いていただきました。おめでとうございます。

なんと、若手をおさえて、シニアの方が受賞しました。

作品は、機関誌「日本児童文学」2022年3月ー4月号に掲載されます。

私の意気込み     寺田喜平

私の提出作品を最優秀に選出してくださり、ありがとうございました。若い頃には運がないと思っていましたが、私は最近、運がついてきたと思っています。前途細々、69歳の私ですが、童話への意気込みを書かせてもらいます。

65歳の定年退職時、ボケ防止と孫のために童話を書こうと思い立ちました。幸い、今も常勤で働いていますが。地元でカルチャークラブの童話講座に入会しました。講師は辛口ですが本当にいい先生で、丁寧に教えてもらっています。目標は「石の上にも五年、七十歳で本を出す」、本当に甘く見ておりました。原稿用紙の使い方も知らず、一人称や三人称を混在して書くほどなのに。思い返せば、子どもの頃は作文と読書感想文が大嫌いだったのに、不思議に思います。

そのうち、インターネットで日本児童文学学校のことを知りましたが、すでに募集を締め切っていました。鹿児島近代文学館の児童文学創作講座(半日で3回)を見つけました。でも、岡山から鹿児島まで新幹線で行くお金と時間を考えると決断が必要でした。しかし、思い切って受講を決め、日帰りで通いました。講師は作家で岡山の大学で教鞭をとっているエネルギッシュな先生で、基本を教えてもらいました。翌年、もちろん決断も必要でしたが日本児童文学学校へ申し込みました。しかし、提出作品を送ったあと、コロナ禍のため中止となってしまいました。幸い、赤羽先生の丁寧な講評から勇気をもらえたことを思い出します。そして、今年は児童文学学校へ一番に申し込みました。近い方には申し訳ありませんが、東京まで行かずにリモート参加できたのは不幸中の幸いでした。いろんな先生の様々な話や経験を聞けて参考となりましたし、これからの目標や覚悟、勉強すべきことがいろいろ見えた半年間でした。これからも、「読んで読んで、書きまくっていこう」と思っています。

最後に、好きな本のご紹介をさせてもらいます。中山聖子先生の「その景色をさがして」や「雷のあとに」が、とくに気に入っています。髪が薄くなり、夜中に目が覚め、体温計の電子音が聞こえなくなってきた私です。でも、意気込みだけは負けません。頑張ります。ありがとうございました。

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2021/10/05

優秀作品 おめでとうございます

 

第49期 日本児童文学学校の優秀作品をとられた作者に、喜びの言葉を書いていただきました。おめでとうございます。

これからの活躍を期待しています。

最短で最強の半年間  小山麻子

このたびは「ズーヨガ」を第49期優秀作品に選んでいただきありがとうございました。

ここで正直に白状します。

大変お恥ずかしいのですが、私が児童文学者協会の存在を知ったのは開講直前の3月でした。児童文学を書きたく、学べる場を探していて、ネットでたどり着きました。申し込みをしたのも締切間近だったと思います。なんとか開講には間に合ったものの、事前の作品提出は出来ませんでした。

 

4月の第一回講義で、田部智子先生の「創作のアプローチ」を受講し衝撃を受けました。第一線のプロの作家でありながら、余すことなく実践的なノウハウを教えてくださることに。柴犬を飼っている私は「いつか私も田部先生のように動物が生き生きとしたお話を書きたい!」とささやかな目標設定をしたのもこの時です。

 

 提出作品のレベルの高さも驚きました。同期の中には、何年も執筆活動をしていたり、賞への応募にも積極的に挑戦をしたり、すでに童話を世に送り出している仲間もいました。大変刺激になる一方、何もしていない私には恐れ多く、参加していて大丈夫なのかと焦りました。

 

 ただどの回も講師の先生方の講義が大変素晴らしく、何も知らない私には毎回染み入りました。

講義後の座談会でも、気軽に質問や意見交換をする場があり刺激になりました。無知な私には質問すら出来ず、仲間の質問と先生の回答を聞くだけでしたが、魅力的な先生方と直接やりとりできる和やかな雰囲気が大好きでした。

児童文学を書かれる人の共通点でしょうか、どの先生方も皆揃って生徒想いで、穏やかで、ホスピタリティ溢れる優しさが画面越しに伝わってきました。

 

 全てZOOMでの参加でしたが、出不精の私には良かったのかもしれません。コロナ禍で試行錯誤の開催だったと思いますが、毎回全力で生徒ファーストな講義を作ってくださった先生方と事務局の皆様に感謝の気持でいっぱいです。

毎回、本当に充実していて楽しかったです!

 

 童話を書いたことのない方、講座を受講しようか悩んでいる方、大丈夫です。児童文学学校で学ぶことは、最短で最強の近道です。じっくり半年間、一から学べる学校は他にはありません。

一歩踏み出せば、半年後に見える景色は確実に変わります。私がそうでしたので自信を持ってそう言えます。

私もまだ始まったばかりですが、これからも先生方から学んだことを忘れずに毎日「息をするように書く」までコツコツ机に向かいたいと思います。

本当にありがとうございました。

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2021/10/04

優秀作品、おめでとうございます

第49期 日本児童文学学校の優秀作品をとられた作者に、喜びの言葉を書いていただきました。おめでとうございます。

これからの活躍を期待しています。

 物語とともに生きていく   なてるみ

 

 第49期 日本児童文学学校の優秀賞に選んでいただき、とても光栄に思っております。今回、講座ブログへ寄稿する機会を頂戴しましたので、受賞作の「青空にピースサイン!」が、どのように出来上がったのかを簡単にお伝えしようと思います。

 そもそもの始まりは3年前です。近所のろう支援学校で、自治会主催の交通安全教室があり、お手伝いとして参加しました。そこでの出会いと経験が、大きなヒントになりました。

 当時は別のテーマで長編を書いていたこともあり、実際に資料を調べ始めたのは1年前だったと思います。そしてTwitterで、ライター/エッセイストの五十嵐大さんの記事を読み、「CODA」という言葉を知ったのです。五十嵐さんは、聴覚障害があるご両親との幼少期からの体験を、記事や、御著書「しくじり家族」、「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」で語っておられます。

 それらを読み、深い感銘を受けるなかで誕生したのが、主人公の虹花(ななか)です。虹花が自由に動き、成長できる舞台を整えていく過程で生まれたのが、寧音(しずね)と、宙(そら)でした。

 中学1年生の三人は、それはもう自由に動き回りました。それぞれに家族があり、名前にもちゃんと意味があります。きちんと長編にしなければ3人に叱られてしまいそうなので、現在せっせと準備中です。

 おかしなことばかり言って、やや引かれたかもしれませんが……。わたしの頭の中は、いつもこんなかんじです。キャラクターが住み着いている? ようなかんじです。みんな自由すぎて、わたしがいくらプロットを作っても、想定外の場所へ行ったり、知らない誰かをつれてきたりと、なかなか大変だったりもしますが。

 そんなこんなを繰り返しながら、これからもずっと、書き続けていくのだと思います。創作は、妻でも母でもない、わたし自身の生きる道ですから。

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2021/10/01