講座ブログ

2021年3月

おめでとうございます!

第69期 創作教室を受講された、志津栄子さんが『由佳とかっちゃん』で、第23回ちゅうでん児童文学賞・優秀賞を受賞されました。おめでとうございます。

志津栄子さんに受賞のことばをかいていただきました。

 

 

子どもの声を聞いて書く  志津栄子

初めて書いた作品「また明日」を「日本児童文学」に投稿しました。そのとき書いていただいた温かい評に涙があふれ……。私の原点、物書き修行の始まりです。

二つ目に投稿したお話が「由佳とかっちゃん」でした。長編にしたらとアドバイスをいただき、私はせっせと物語の続きを書きました。第69期創作教室に参加したのもその頃でした。皆さまから貴重なご意見をいただき、この作品を仕上げなきゃと思ったものです。でも、悲しいことに、私には長編を書き上げる筆力というものがありません。

創作教室の後、ひとりになって困っていると、ふっと由佳の声が聞こえてきました。

由佳は言います。「うちはかっちゃんのことが好きなんや。けど恋とはちゃう。そやから好きって言葉は書かんといてな」と。私が苦心して書いたセリフに「そんなの言いたくないよ」とダメ出しをし、「別れた父さんに会ってみたいねん」なんて無理難題を言い出す始末です。だからときどき由佳とけんかして、机の引き出しに閉じ込めたりしました。すると今度はかっちゃんです。かっちゃんはやんちゃしているみたいにみえるけど、本当は優しい。あっ、書かなきゃ。そんなことの繰り返し。苦しくて楽しい日々でした。

楊行季一杯の原稿を書いて一人前と誰かが言っていました。今ならメモリスティック一本というところでしょうか。それなら私はお話を百個書こうと決めました。はちゃめちゃでもいいんだと、自分を励まし、書いて書いて書きまくりました。

百個の物語から飛び出してくる子どもたちの個性豊かなこと! 私のことを書いて。おれを忘れるな。とことん向かい合う毎日です。

書き続けることで出会えた素敵な人たち。このような素晴らしい賞をいただけたのも、皆さまのおかげと感謝しています。この先に何があるんだろう。あと一歩向こうまで行ってみたい。今はそんなわくわくした気持ちでいっぱいです。

             

 

 

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2021/03/31

お知らせ

街中、さくらがきれいに咲いています。

あっという間に三月も終わりに近づいてしまいました。

ずっとお知らせしていた、四月からの「日本児童文学学校」は、今年は人数もあつまり、開催できることになりました。

昨年、中止したことを思うと、今年、できることは、とてもうれしいです。

昨日がいちおうの期日でした。定員近くまで集まった講座もありますが、まだ、少し席があいているものも。

もし、申し込みが遅れたという方がいらしたら、事務局に問いあわせてみてください。

事業部スタッフは、みなさまにお会いできるのを楽しみに、講座の準備をすすめています。

 

そして、秋の一日講座の動画配信も三月末で終了します。こちら千円とお安くなっています。

どうか、この機会に。

秋の一日講座、宣伝の、ミニ動画↓。もう一度、アップしてみます。

https://drive.google.com/file/d/16jRahBxokGIebCgzDK0GrRrix83BKvE_/view?usp=sharing

 

また、そのとき、事業部でつくったミニ動画。

こっちはちょっと恥ずかしいけど、もう一度

https://youtu.be/NWoVpX9FBdA

 

 

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2021/03/25

講座の申し込みなどお急ぎを

四月開校の日本児童文学者協会の各講座の申し込み〆切り日が、三月に集中しています。

通信で作品を指導してもらえる、実作通信講座は三月五日、つまり昨日がいちおうの〆切り日となっています。今年もたくさん、申し込みをいただきました。外出がままならない現状、この講座は人気が高いです。

うっかり申し込み忘れてしまったという方、まだ、少しの猶予期間はありますので、間に合います。

ぜひ、事務局に問い合わせてください。

また、日本児童文学学校、創作教室、オンライン創作教室も、今月25日が一応の期限の目安とさせていただきます。

のんびりしていた方、あとで申し込めばいいやっと思っていた方、どうか、お急ぎを。

オンラインの日本児童文学学校が、申し込みが増えてきました。今年は開講できそうです。

事業部のメンバーも開講にあわせ、準備をすすめています。よろしくお願いします。

 

また、森川成美さんの一日講座の録画ビデオ配信の期日も三月末。

作品をよりよくするために「取材・書き直しのコツ、教えます!」 です。

人気のある講座でした。おうちで動画で講義を見られます。この機会にぜひぜひ!

どうか、よろしくお願いします。

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2021/03/06

日本児童文学学校に参加して

良い作品は作者を引っ張り上げる はやの志保

 

このタイトルは、私が2009年、第37期日本児童文学学校を受講講した時の講師のおひとり、安東みきえさんが講義中におっしゃった言葉です。そのとき、確か安東さんはご自身の座っている席と私たちの席の間あたりを指しながら、

「このへん、皆さんと私の間には、距離があるように見えるかもしれないけれど、実はそうでもない」

って感じのことも確かおっしゃったのです。第49期の講師陣を拝見したところ、今年も安東さんがご登壇予定なのでもしかしたら同じ話を聞くかもしれません。ネタバレになってしまったらごめんなさい。でも私は、この言葉に10年以上支えられてきました。

 

もともと10年でも20年でも書くと決めてはいたけれど、同期や新しい方々が颯爽とデビューされるのをお祝いしていると、正直自分はどうなんだろうと落ち込んだりもしました。と同時に、書き続けてきたおかげで最近はちょこっと最終選考にも残るようになってきました。真摯に、読んで書いてを続けていれば技術は上がる。今後はどう自信を持っていくか、というのが課題だと感じています。

 

ところで。創作活動は出産に似ている、産みの苦しみ、なんて言葉を聞きますよね。私はこの言葉、確かにそうだと思いつつ、実は産んだあとが似てるなぁと思っているのです。命をこの世に産み出す時は、もちろんその命との共同作業なのだけれど、なんとかひとりで、んーーーっ! と力んで産む。そのあとは、ご飯をあげたり抱っこしたり、自分以外の手を借りることができる。作品も形にするまではひとりでやるけれど、なんとか形になれば、仲間の意見を聞くことができて、一緒に育てることができます。そうやってたくさんの人たちが書き続けています。

 

言葉で紡ぐ作品は、詩、短篇、長編、さまざまな種類があって、どれもほんとに面白い。創作が初めての人も、すでに書き始めている人も、行き詰まっている人も。扉を開けて入ってくる皆さまと、お会いしたり話ができる日を楽しみにしています。

 

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2021/03/04