講座ブログ

2021年5月

おめでとうございます!

第47期 日本児童文学学校や、創作教室を受講された酒井和子さんが、第20回長編児童文学新人賞、佳作を受賞されました。

おめでとうございます。いつも、楽しそうに受講されていたすがたが印象的でした。

コロナの感染で不安な春ですが、たくさんの元受講生の活躍のニュースにとてもはげまされています。

 

エネルギーをいただいて  酒井 和子

文学学校の開校日の緊張は忘れることができません。一体どんな世界で、どんな方々がいらっしゃるのだろうと、エレベータの中でドキドキしていました。

 この時出した「お薬師様」を講評していただいた感激が励みとなってその続きを書き、次いで受講した創作教室で合評していただきました。

 それが今回「長編児童文学新人賞」の佳作をいただいた『竹の風音』です。

 鎖国政策で情報が制限されていた時代、海の向こうの言葉や学問に接して好奇心を抑えられない貧しい職人の娘の話です。「女のくせに」と拒絶されながらも情熱を持ち続け、明治の新しい時代の担い手の一人として次代へとつなげていきます。

 はじめて手がけた時代もので自信がなく、果たして児童文学として通るだろうかと心配でしたが、自分ではその判断すらできません。設定した主人公の少女「かつ」がどんどんわが道を進むのを必死で追いかけ、また悩み戸惑うのに寄り添って夢中で書き続けました。

 「創作」という行為は一人でこつこつと原稿用紙を埋めていく孤独な作業という印象を持っていました。ですが、一人で書いているとすぐに限界がきて、どうしてもパターン化してしまいがちです。設定した人物やテーマへの思い入れが強すぎて一人よがりに陥るおそれや、最悪の場合、投げ出してしまいたいという誘惑に負けて未完に終わってしまう可能性もあります。

わたしは忍耐とか、こつこつ努力するということが苦手で、何にしてもいつも最後までがんばりきれません。それゆえ、文学学校や創作教室で同じ道を目指してひたすら邁進する方がたと出会えたことはとても大きいと思います。教室に入ったとたん包まれるあの雰囲気、席についただけで上がってくる心地よい緊張感。そして自分の世界を追及している仲間の情熱。厳しさはやさしさだと気付かせてくれる批評。これこそが自分の作品に向かい、推敲し、書き直し、書き上げるまでに要する膨大なエネルギーを持続させてくれるのだと思います。

今回うれしい通知をいただいたとき、まっさきに思ったのは「エネルギーをいただいた」おかげだということでした。

わたしは今72期の創作教室で学んでいます。ステイホームが余儀なくされる中、オンラインであれリアルであれ、教室のエネルギー量はますます高く、圧倒されています。

これからもそんなエネルギをーいただき、進んでいきたいと思います。

 

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2021/05/12

第49期 日本児童文学学校・感想

 実感を得られる場所  丸野永史

 
作品を書いて公募等に出してみても、落選ということがわかるだけで、自分の書いたものを誰かが読んだという実感がないまま過ぎ去っていく。
なにかしら受賞でもしないかぎり、その実感は得られないのだと思っていた。
でも、読んでもらった実感がないままでは、作品がいいのか悪いのか、むしろ書いていていいのか悪いのか、それすらわからなくなってくる。とてつもなく無駄なことをしているんじゃないかと思うこともある。
同じようなことを感じている人も多いのではないか、むしろそういう人のほうが多いはずだ、でもそのはずなのに、そういう人と会って話すことはない。
一度そういう人に会って、はなしてみたい。できれば受賞した人とも話をしてみたい。そうしたら、なにか実感を得ることができるのではないかと思っていた。
だから、教室の中に入った時、この中にいる人たちは皆、なにか書いている、自分と近しい気持ちを持った人かもしれない。
しかもスタッフや講師はかつて受賞し、デビューし、一線で活躍する作家たちだ。話をしてみたかった人達がこんなにいる。とてもワクワクした。
田部智子講師も、デビュー前はやはり自分と似たような事を思い、考えたとおっしゃっていた。一線で活躍する先生方、受賞するような人にもそんな時期があって、でもそこから強い気持ちをもって今の場所までいったのだ。
教えていただいた創作を続けていく為のノウハウには、自分の作品がいつかだれかに届く日が来るかもしれない、その可能性に向かうための方法、そのきっかけをもらったみたいで勇気がわいた。
作品講評では、自分の番が近づくと緊張と不安で手から血の気が引いた。
でも、わかりにくいだろうなと思っていた、自分の作品の中の仕掛けに開隆人講師は気がついてくれた。
目の前で、その仕掛けについて解説してくれている。そして自分の作品について、この場の全員が話をしている。確かにこの場にいる全員がちゃんと読んでくれている。それがすごくうれしかった。
日本児童文学学校は、読んでもらえた実感、書いていてもいいんだという実感、そして書くことは先へ続いているのだという実感を得られる場所でした。
 
開校直前での三度目の緊急事態宣言。開校日がまさに宣言期間の初日となりました。主催する側の関係者の皆様は本当に大変だったと思います。なにしろ開校直前だったので時間がない。大変難しい判断だったと思います。それでもこの機会を守っていただいた事に本当に感謝いたします。

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2021/05/06

第49期日本児童文学学校、開校しました

第49期、日本児童文学学校が開始されました。若い方がたくさん受講してくれて、質問もいっぱいでました。

プロジェクターをつかい、オンラインと教室でハイブリット開催、どうなるかと思いきや、とてもうまくいきました。

ただ、教室は、窓を換気で開けているため、音が悪くして失礼しました。

事業部員の新井さんが、ミニムービーをつくってくれました。見てください。

https://drive.google.com/file/d/1zHp3F0rAaD1NqSbw_W71k-8jK6lTwvth/view?usp=sharing

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2021/05/05

おめでとうございます!

4月末、ポプラズッコケ文学賞が発表されました。

今年は大賞は見送られましたが、編集部賞に『メイク・イット』高村有さんが、選ばれました。おめでとうございます。

高村有さんは、創作教室で勉強された方で、今は同人誌などで研鑽をつんでいらっしゃいます。

選考結果は以下↓から見られます。

第10回|ポプラズッコケ文学新人賞|文学賞|ポプラ社 (poplar.co.jp)

高村有さんは、フレーベルものがたり新人賞でも、優秀賞に選ばれ、このブログにも喜びを言葉を書いてくれました。

作品、ぜひ、ブラッシュアップして、デビューまでもっていってほしいです。

また、選考票には、おしくも選考には残らなかったとありながら、『あっぷで ええと』スーザンももこさんについても触れられていました。

スーザンももこさんも、創作教室出身で、このブログにも書いてくださったことがあります。

ぜひ、みなさん、選考評を読んでみてください。このズッコケ文学新人賞だけでなく、他の新人賞でもそうですが、選考評には作品を書くヒントがいっぱいつまっていますよ

 

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2021/05/02