編集部だより

奥山編集長機関誌部、一年が経ちました☆

機関誌部ブログをご覧のみなさま、こんにちは。

先日、押し寄せてくる霧を初めて見ました。朝六時半。二階の窓から見える景色に驚きました。周りの畑に早い速度で流れ込んでくる雲のような霧。そしてあっという間に200メートル先の家が、ぼんやりとしたシルエットとなりました。その光景はとても神秘的で、うっとり眺めていました。しかし、濃霧は想像以上に視界を遮っていきます。もし車を運転している時だったら……考えただけでゾッとし、すぐに霧が晴れるよう願いました。

季節の変わり目は体調も天気も不安定になりがちです。楽しい夏を迎えられるように、この梅雨を乗り切りましょう!

 

6月16日(水)に、第12回編集会議をオンラインで行いました。

今回は編集委員・せいのあつこさんがコメントをくださいました。写真と合わせて(タイトルをクリックすると表示されます!)zoom会議の様子をお届けします☆

 

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今の編集委員になって一年が経ちます。早いなあと思います。

編集会議は月に一回およそ三~四時間くらいのズーム会議です。編集委員のメンバーとは生でお会いしたことのない方がほとんどです。

直接お会いしたいなあと思いますが、ズームの画面に、お飼いになっておられる猫ちゃんが横切ったり、突然鳴るお電話の音や、夕方の時報のメロディーが聞こえてきたり、

画面越しですが、「生活」がほの見えるのはズーム会議ならではのおもしろさかもしれないなと思います。

私にとって機関誌を作ることに携わるのはとても緊張することなのですが、その緊張感は一年経っても変わらないです。

でも、編集会議で飛び交う意見は本当に興味深いです。たくさん勉強してこなければ出てこないような考えだったり。意見だったり。

またたくさん創作してこなければ出てこない視点だったり。あたたかみとユーモアもあり。私にとってとても豊かな時間でもあります。

今、編集部では来年度の特集について具体的な話が進みつつあります。素案はかなり前から話し合われてきたのですが、いよいよ具体化していく段階です。

より良い雑誌になりますよう。またみなさまに響く雑誌になりますよう、お手伝いできればと思っています。

 

せいの

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 Zoom会議は、どこからでも参加できるメリットがあります。天候にも左右されませんし、交通費や移動時間もかかりません。私の場合、神楽坂の事務所までは高速バス利用で往復約五時間。ですがオンラインだと、パソコンの前に座るのは会議開始五分前。コーヒーを一口飲んでから参加するなど、この体制にだいぶ慣れてきました。任期二年の後半は、直接お顔を合わせての会議を持ちたいと願いますが、どのような体制でも、内容の濃い機関誌作りの一端を担えるよう、努力してまいります!

 

会員限定の掌編作品の募集は、今月末が締め切りです! ぜひ、皆さんの作品で、猫と一緒にファンタジーの世界へ連れて行ってください☆ どんな作品に出合えるのか、楽しみにお待ちしています♪

 

**《奥山編集長のひとこと》************************

ハックルベリーブックスでは、味戸ケイコさんの表紙原画の展示と「日本児童文学」フェアを、6月末まで開催しています。

こちらのブログに詳細、写真など載っていますので、ぜひご覧ください。

http://www.huckleberrybooks.jp/cgi-bin/blog/diary.cgi?date=20210513

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【お知らせ】!!締め切り間近!!

★11-12月号 特集「ファンタジーの猫」掌編作品募集★

   猫をテーマとした非日常物語を描いた掌編作品を募集します

【応募資格】 日本児童文学者協会会員に限る

【締  切】 2021年6月末(消印有効)

【字  数】 26字×80行

【応募方法】 下記まで郵送、またはEメールで。

 〒162-0825 東京都新宿区神楽坂6-38 中島ビル502

           日本児童文学者協会「猫の掌編」係

E-mail : zb@jibunkyo.or.jp

 

次回の部会は7月21日です。

また、ご報告いたします!

 

山﨑

 

2021/06/18

「ファンタジーの猫」掌編作品大募集!☆

機関誌部ブログをご覧のみなさま、こんにちは。

薄グレーの雲が広がる空に、低く飛ぶツバメの姿をみかけました。雨の多い季節がやってきます。この時期の楽しみは、何と言っても日に日に存在感が増してくる庭の梅の実。我が家は毎年青いうちに梅を収穫し「自家製梅シロップ」を作ります。夏の暑い日に炭酸で割って一気飲み! 爽やかな梅の香りと体に染み込む甘酸っぱさは一滴残らず飲み干したくなる美味しさです! 冷凍してから漬けると出来上がりが早いと伯母が教えてくれたので、今年は試してみようと思います♪ 

 

5月19日(水)に、第11回編集会議をオンラインで行いました。

取り上げるべき特集や、会員が参加しやすいテーマなど、さまざまな角度から検討しています。ご期待ください!

 

『日本児童文学5・6月号』特集「子どもの文学この一年」はいかがでしたか?

 私は翻訳の三辺律子さんの論にハッとさせられました。

 

“一冊ですべてをまかなえる本など、ない。大切なのは、いろいろな登場人物が、いろいろな経験をする、いろいろな本があることなのだ。”

“多様な人物、多様な価値観に触れることは、結果的に子どもにとっても生きやすい世界を提供する一助になれると信じている。”

 

そして、ノンフィクションの別司芳子さんの言葉にも力強さを感じました。

 

“人物のノンフィクションは、その生き方を学ぶことで、悩みを抱えている子どもたちの心に届き力となる。”

 

改めて読書は心の栄養なのだと気づかせてくれました。外出がしづらくなり行動範囲が狭まった今だからこそ、読書で疑似体験しながら世界観を広げていきたいと感じました。

 

大好評連載中の『仮想家族(バーチャルファミリー)』。“Z21”というウィルスが裕の近くまで迫ってきて……このあと、どうなっていくのでしょう! 早く続きが読みたいと編集会議でも盛り上がりました。コロナウィルスが変異に変異を重ねて“Z21”のような不気味さを持たないよう、一日も早く終息することを願います!!

 

今回は編集委員・間中ケイ子さんから、会員の皆さんへメッセージをいただきました。ブログ掲載の写真は間中さんの猫ちゃんです。タイトルをクリックすると、写真が表示されますので、一緒に楽しんでくださいね☆

 

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人が住むところには 猫がいます。

 

長靴をはいた猫 空を飛ぶ猫 100万回いきた猫

青い猫 さすらう猫 チェシャー猫 なまえのない猫

ノラ アブサン ヨゴロウザ イッパイアッテナ

物語の中にも たくさんの猫がいます。 

みなさんの近くにいる猫は どんな猫ですか。

 

「日本児童文学」11・12月号では「ファンタジーの猫」特集を予定しています。

機関誌編集部では、掌編を募集することになりました。

みなさんの猫を ファンタジーの猫物語に 登場させてみませんか。

 

間中ケイ子

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我が家にも猫がいます。11年前のちょうど今ごろ、自宅近くの道の真ん中に小さな黒い塊がポトンと落ちていました。猫だと気づくのに少し時間がかかるほど、猫とは縁遠い生活をしていました。親猫の姿も見えず、このままでは車にひかれてしまうかもしれません。アドバイスをもらうべく動物病院に連れて行きました。“歩けるようになるまでの保護”のつもりが、いつの間にか猫の愛らしさに魅了され、今では3匹の猫と暮らしています。甘えん坊のサビ猫・やんちゃな茶トラ・おすましなハチワレと性格も毛色も違う猫たちに、日々癒されています☆

会員の皆さん、どうぞ猫の魅力たっぷりのファンタジー作品をお送りください! どんな猫に出会えるか、楽しみにしています♪

 

**《奥山編集長のひとこと》************************

このたび、ハックルベリーブックスで味戸ケイコさんの表紙原画の展示をスタートしました。とりあえず6月末まで展示し「日本児童文学」フェアも開催します。

 

こちらのブログに詳細、写真など載っていますので、ぜひご覧ください。

ほんとうにすばらしい絵でした。

http://www.huckleberrybooks.jp/cgi-bin/blog/diary.cgi?date=20210513

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【お知らせ】

★11-12月号 特集「ファンタジーの猫」掌編作品募集★

   猫をテーマとした非日常物語を描いた掌編作品を募集します

【応募資格】 日本児童文学者協会会員に限る

【締  切】 2021年6月末(消印有効)

【字  数】 26字×80行

【応募方法】 下記まで郵送、またはEメールで。

 〒162-0825 東京都新宿区神楽坂6-38 中島ビル502

           日本児童文学者協会「猫の掌編」係

E-mail : zb@jibunkyo.or.jp

 

次回の部会は6月16日です。

また、ご報告いたします!

 

山﨑

2021/05/24

5・6月号は『子どもの文学この一年』の特集です☆

機関誌部ブログをご覧のみなさま、こんにちは。

まだまだコロナ終息が見えず、不安な日々が続いています。

毎日のようにニュースで報道される数字の変化に、心も体もストレスでお疲れ気味。こんな時だからこそ季節を味わいたくて、歩いて買い物に出かけました。

“ホー ホケキョ♪”うぐいすの鳴き声! 思わず立ち止まって、通りの木々に声の主を探しました。そんなに簡単には見つからないのは重々承知……諦めて歩き出すと、また美しい鳴き声が! 再びうぐいすを探すべく顔を上げると、視界には空の青と、風に揺れる緑の木々……元気がチャージされていきました! 

もうすぐ5月。こいのぼりもチラホラ目にします。心も体も健康でいきましょう!

 

4月21日(水)に、第十回編集会議をオンラインで行いました。

「幼なじみ」100人アンケートへのご協力、ありがとうございました! のべ120もの回答をいただきました。結果発表は7・8月号に掲載いたします。楽しみにしていてくださいね☆

4月3日(土)の情報ネットワーク部のオンライン茶話会では『日本児童文学3・4月号』について、色々なご意見・ご感想をいただきました。特に好評だったのは「ただいま修行中」です。“作家デビューをめざしている5人を応援したくなる!”と、笑顔が広がりました。5人それぞれの“ムフフ・トホホ・プンプン・モリモリ・ホホウ”な日がデビューに繋がる裏話になるかもしれません! お見逃しなく!!

 

『日本児童文学5・6月号』は、特集「子どもの文学この一年」です。

昨年一年間に出版された子どもの本について、ジャンル別に振り返り検証します。創作、詩・童謡、絵本、翻訳、ノンフィクション、児童文庫、評論……それぞれの分野のスペシャリストによる年度回顧は、資料的な価値も高い号です。

また、荒木せいおさん、繁内理恵さん、西山利佳さんをお招きして、オンラインでの座談会を開催いたしました。

今回、編集委員・東野司さんがご自身の紹介も兼ねて、編集会議の様子&座談会を、ユーモアたっぷりにまとめてくださいました!

 

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どうもです。

東野司です。作家です。SF色強めです。こわいお話も書きます。ときどき、書評も書きます。

そして、機関紙部編集委員です。

 

このたび、『日本児童文学』編集委員として、創作座談会の司会とまとめ執筆を担当しました。

ついては、そのバックヤードについての、あれこれを書かせてもらうべく、この場に参上とあいなりました(というか、書いてネとお頼みされてしまったのですが……)。

 

創作座談会は『日本児童文学』2021年5−6月号に掲載されています。

この一年に発表された創作児童文学のうち、ぜひこれはという作品を持ち寄って、三人の方々(荒木、繁内、西山の各氏)に熱く語り合っていただいたものです。

 

そもそもは……です。

 

新機関紙部となったおり、編集長より、取り上げたいテーマや企画の募集が編集委員にあって、そこに「座談会をしたいです」と私が手を挙げたのが、始まりです。

 

創作時評や「子どもの文学この一年」など、一人の方の書評や評論などを読んでいて、もちろん、ああそうかと膝や手を打ち、蒙を啓かれること多々あるのですが、その一方、「うーんここはこう思うなあ」とか、「いやそれはちょっと……」などということも、これまでに少しばかりありまして……。

 

そんなとき、「いろいろ語り合った方がおもしろいんじゃないかなぁ」と思ったわけです。

一つの作品に対して、何人かがそれぞれの視点で、あーでもない、こーでもないと、侃侃諤諤、喧々囂々、語り合い、論じ合っていくうちに、作品に多様な見方が生まれ、理解が深まり、作品そのものが立体的に立ち上がってくるのではないだろうか。

 

そう思って、会議に提案したところ、編集委員の皆さんの賛意を得て、企画が通ってしまい、参加者も荒木さん、繁内さん、西山さんと決まったうえで、「あ、では、司会とまとめ執筆はお願いね」とお鉢が回ってきたという次第です。

 

内心は『うわ、たいへん』と思いつつも、自分が出した企画です。「わかりました」とひきつった笑顔で受けたというのが顛末です。

 

そして、迎えた座談会当日。

 

いやあ、おもしろかった。楽しかった。スリリングだった。

 

『三人よれば文殊の知恵』と言いますが、『三人よれば曼荼羅世界』(ナンノコッチャ)というくらい、一つの作品に対して、それぞれの視点が提示され、論じられ、それを踏まえて、さらに理解を深める言葉が紡ぎだされ、そこから類推されるイメージが飛び出てきたり……と。

こちらの予想以上に、広がり深められる作品世界。そして、何度か、一同「おおっ」と驚くような展開もありつつ……。

終わりにするのが惜しいような座談会でした。

(詳細はぜひ、5−6月号をご覧あれ)

 

でも、まあ。

おもしろく楽しくスリリングな後には、真面目に地道にコツコツとまとめる作業が待っているわけですが、いや、その実、これが大変。

改めて、録音データで時間を確認してみれば、なんとこれが、2時間54分40秒。3時間弱!

 

これをお三方の論旨を損なうことなく、熱気もふくめて、10ページにおさめなくてはならない。

 

まずは、一言も落とすことなく、すべての発言を文字起こしして、プリントアウトし、慎重の上に慎重をかさねて短くまとめていく。まとめたものをプリントアウトして、もっともっとまとめて……。またまたそれをプリントアウトして、もっともっとまとめて……。その繰り返し。なんせ元データが巨大なので、無間地獄かと思いました。

 

でも、久々の文字起こし(何十年ぶりだろう)では、ずいぶんとスマホに助けられました。

昔、パソコン黎明期にテクニカルライターをやっていたとき、開発者インタビューの文字起こしにはウォークマンを使っていて、テープを巻き戻したり、早送りにしたりしてましたけど、目的のシーンにうまく止められなくて、イライラしていたものです。それが今は15秒単位で戻しも送りもできて、イライラも軽減。改めて技術の進歩を実感しました。

 

でもって、

なんとか10ページにおさまったものを、お三方それぞれにチェックしていただき、やっと「創作座談会」の記事がまとまりました。

 

まとまってみると、いやこんな座談会、また、できたらいいなと思ってしまいます。年に一度だと作品数が多くてたいへんだから、半期に一度、いや毎月でも……。

あ、でも、次は、まとめだけはパスしたいなぁ、とか。

 

とにもかくにも。

 

あのおもしろさ、楽しさ、スリリングさが、お届けできていればと思います。

『日本児童文学』2021年5−6月号「創作座談会」

ぜひ、お読みください!

と強くお勧めして、お開きといたします。

 

ではでは。

 

どんとはらい。

 

東野司

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今月の編集会議も熱論が交わされました。会議のたびに自分の視野の狭さを実感。しかし、心をぐらっと揺さぶる意見や考え方に触れると、日常何気なくスルーしていることも、ふと引っかかったり疑問に感じたり、私の興味・関心は確実に広がっています! 

 

**《奥山編集長のひとこと》************************

味戸ケイコさんの表紙は,5・6月号で最後ですが、巻頭の短編の岩瀬成子さんと,味戸さんは、これまでもいっしょに絵本なども作られているので、お互いに、同じ号に掲載となることを、とても喜んでくださっていました。ひそかな響き合いになるかなと思ったりしています。

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【お知らせ】

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・6月末しめきり メール、郵送どちらもOK

 

次回の部会は5月19日です。

また、ご報告いたします!

 

山﨑

 

2021/04/27

初めての『オンライン座談会』☆

機関誌部ブログをご覧のみなさま、こんにちは。

白に近い淡いピンクが日に日に広がっていく、ソメイヨシノの桜の木。

満開に近付くほど可憐さに凛々しさが加わるその変化を、今年も楽しんでいます。

 

3月17日(水)に、第九回編集会議をオンラインで行いました。

 

創立75周年記念として付けられた「3・4月号」の特別ふろく、味戸ケイコさんの“ポストカード”が好評です! 新生活スタートなど、春の少し不安な気持ちに寄り添ってくれる、柔らかな優しい絵。明るい場所をめざしてゆっくりと進む少女の後ろ姿からは、「大丈夫。一緒に行こう!」の声が聞こえてきそうです。

3・4月号の“25年後のこどもたちへーひとこと集―”の囲みのレイアウトやパート分けが新鮮で、楽しく読めたとの感想もあがりました。第一線で活躍する作家のみなさんから頂いた未来へ向けてのメッセージが、より多くの子ども達に届くことを願います。

“ただいま修行中”もスタートしました☆ 応援よろしくお願いします!

また、初めて開催された“オンライン同人誌座談会”。「初」ということで、司会進行をしてくださった編集委員のお二人(奥山さん・せいのさん)に、今回の座談会を振り返っていただきました。

 

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1・座談会の時間はトータルで2時間半くらいでした。けっこう長くなって、上手くまとめられるか心配でした。長時間になったことを申し訳なく思いつつ、でも本音を言うともっとお話を聞いていたかったです。

 

2・質問している内容は、事前にお知らせしてあり、各同人誌内で、意見を集めてくれていたところもありました。

 

3・「同人誌・研究会の誇りをもって」のタイトルは、おおぎやなぎさんやいぶきさんの発言をもとにつけました。

 

4・一番盛り上がったテーマは“それぞれの意義”ですかね。けっこう本音が出て、面白かったです。でも、各同人の自己紹介から熱量がすごかったように思います。つまり最初から盛り上がっていたと思います。一晩でも語り合えたんじゃないかなと思ったり。どの質問も時間を区切るのが惜しかったです。
 

5・事前に用意された質問は全てすることができました。書き手として同人として話題は尽きないなあと思いました。オンラインという画面越しでもこれだけの熱量です。次回はぜひオフラインで、直に座談会ができたらいいなと思います。

 

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新しい生活様式に対応しながら活動を続けていくことは大変な部分もありますが、それでも“熱”と“誇り”を持ち続ける皆さん。これからも、共に児童文学を盛り上げていきたいですね!

 

【お知らせ】

機関誌部よりアンケート調査のお願い

「「幼なじみ」と聞いて思い出す、児童文学の登場人物は?」を絶賛実施中!!

・3月末しめきり

11-12月号 特集「猫とファンタジー」掌編募集

【応募資格】 児文協会員限定

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情報ネットワーク部のオンライン茶話会

 4月3日(土) のテーマは『日本児童文学3・4月号』です

    詳細はhttp://jibunkyo.main.jp/index.php/network/archives/1

 

 

次回の部会は4月21日です。

また、ご報告いたします!

 

山﨑

 

2021/03/25

『日本児童文学1・2月号―ノンフィクション―』水俣取材・裏話

機関誌部ブログをご覧のみなさま、こんにちは。

満開間近の梅の木や水仙の小さな黄色い花に、春の訪れを感じる今日この頃。

マスクを外して、春の香りを味わいたくなります♪

 

2月17日(水)に、第八回編集会議をオンラインで行いました。

今後の特集やそのタイトル、執筆者の検討などが話し合われました。

なぜ、その特集を組むのか。読者に新たな発見・視点、執筆のきっかけになるにはどのようなアプローチをしていくか、今回も様々な意見が飛び交いました。

このような“こだわりの熱”によって生み出されている機関誌『日本児童文学』。

4月3日午後2時から「オンライン茶話会~機関誌を読む(日本児童文学3・4月号)~」を行います☆詳細は後日お知らせいたします!

その、1・2月号掲載のノンフィクション「いのちと食べ物と水俣」の取材裏話を、機関誌部員の指田和さんが寄せてくださいました。

 

 

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水俣取材・裏話 ーー 蘇峰とちゃんぽんと沢庵と             指田 和

 

 『日本児童文学』1・2月号でノンフィクション「いのちと食べ物と水俣」を書きました。

 小学生のころに担任の先生から水俣病時件のことを聞いて以来、「ミナマタ」は、わたしの心の奥にずっと残っていました。後に、石牟礼道子さん(文)と丸木俊さん(絵)が作った絵本『みなまた 海の声』(小峰書店)を読んでいたこともあったように思います。

  それから時を経ること四十数年...  昨年初め、不思議なタイミングが三つも四つも重なって現地に縁ができ、初めて出かけたのが6月。約1週間の滞在でした。

 海と島と山に囲まれた、自然豊かな熊本の水俣。そこで工場廃水が原因で発生した水俣病。患者やその家族が超えてきた、長くきびしい生活...。地元の方に案内をお願いし、ぐるりと水俣を回った後、高台から街を眺めた時に見えた風景ーー今も街の中心にあるチッソの大きな工場の存在ーーは、なんとも言い難い重いものでした。水俣病が公式認定されてから六十余年。わたしは、「一度訪れたくらいで、水俣を知った気になってはいけない...」と、率直に思いました。

 また行こう、行くべきだ、そんな思いが日々募り......今回の記事執筆を口実?に、再度水俣を訪れたのが9月(私にとっては1回目とは違う角度で水俣を体感し、知りたいという気持ちで出かけ、執筆)。この時は、水俣の山間で自然農法によるお茶づくりをしている桜野園・松本和也さんを訪ね、軽トラで山の斜面のお茶畑をぐるぐる巡り、話を聞きました。詳細は『日本児童文学』をご覧いただくとして...... 

               *

 記事で触れられなかった、桜野園や水俣のプチ情報をいくつか。

●今から約九十年前に、松本さんの曽祖父が地域の人たちと山を開墾して作った茶畑。初めて入植した「記念園」と呼ぶ茶畑には、「桜野園」の堂々とした文字が刻まれた石碑が立っています。この文字、実は明治〜昭和にかけての日本のジャーナリスト(思想家、歴史家、評論家でもある)徳富蘇峰の筆によるもの。不勉強の私は現地に行ってから知り恥ずかしい限りでしたが、徳富家は代々水俣で庄屋・代官を兼ねた家で、蘇峰も幼少期に水俣で育ったとのこと。松本家は蘇峰・蘆花の遠縁にあたり、しかも蘇峰と松本さんの曽祖父とは気が合って長年懇意にしていたということから...。(桜野園のHPでも、文字や碑の写真が見られます)

●その桜野園、緑茶だけでなく和紅茶も生産しています。ロンドンの紅茶専門店「ポストカード・ティーズ」の店主が味や生産方法を気に入り、10年以上前から桜野園の紅茶も販売。紅茶の本場で、日本の、水俣産の紅茶が愛されているのです。

●それから水俣は、なんと「ちゃんぽん」を提供するお店が市内に十数件もある、ちゃんぽんの町(地元では「ちゃんぽんは長崎より水俣の方が元祖&有名...」という声も)。味も素材もいろいろで、麺好きの私は滞在中に4軒制覇。どれもたっぷりの野菜がうれしく、夜にふらりと一人で店に入り、ビール片手にすする熱い太麺のうまいこと! しかも値段が500〜600円前後。水俣へ行ったら、まず、ちゃんぽんです。

●それかそれから、水俣は今(2月)、みかんのシーズン(甘夏やしらぬい、パール柑など)。安全安心をモットーに、丁寧に育てられたジューシーなみかん類がどっさり。ネットで調べると販売先がいくつも見つけられます。甘夏ジャムも、ほろ苦くて甘くて美味しい!

●さらに余談ですが、桜野園の松本さんと寄った、割とご近所のラーメン屋さんがあまりにも美味しくて(山沿い一本道のポツンと一軒店)、帰路・新幹線でのお昼にしようとチャーハンをテイクアウトで注文したら.... お店のおじちゃんとおばちゃんが、「埼玉まで帰るの、遠かねー。ウチも埼玉に親戚がいてさぁ。いいから、これ持ってって食べて」と、ビニール袋に入れた自家製メンマやら沢庵(2本分!)をどっさり。コロナ禍で席はガラガラだったものの、 新幹線の中、私はきっとプーンと香る沢庵オーラに包まれていたはず....

  そんなふうに良くしてもらったら、お店のおじちゃんおばちゃんも、松本さんも、ミナマタの海も空もみんな家族みたいな気がしてきて、チャーハンをモグモグする私の頬は、いつしか涙で濡れていたのでした...

                *

 しかし、この取材前後はハプニング続き。留守中に夫が入院・手術が決まるわ、現地到着早々、宿の前で車の衝突事故を目撃するわ、やっとの事で家に帰りつくも、冷蔵庫がクラッシュして、中のものがグズグズドロドロ、とんでもないことになっているわ......  

 我が人生の中でも稀にみるジェットコースター的日々でしたが、編集委員みなさんに支えられながらなんとか記事を書き終え、無事?1・2月号に載せられたという次第でした。

 記事はさておき、みなさま、ぜひ水俣へお越しください!

 

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【お知らせ】

機関誌部よりアンケート調査のお願い

「「幼なじみ」と聞いて思い出す、児童文学の登場人物は?」を絶賛実施中!!

・3月末しめきり

11-12月号 特集「猫とファンタジー」掌編募集

【応募資格】 児文協会員限定

・6月末しめきり メール、郵送どちらもOK

 

みなさんのご参加、お待ちしています☆

(詳細は前回のブログをご覧ください)

 

次回の部会は3月17日です。

また、ご報告いたします!

 

山﨑

 

2021/02/23

『アンケート調査のお願い』&『掌編募集のお知らせ』

機関誌部ブログをご覧のみなさま、こんにちは。

1月30日の「合同ミーティング」にご参加のみなさま、お疲れ様でした。

合同ミーティングでもお伝えいたしました『アンケート調査』ご協力と『掌編募集』へのご参加をお願いします。

 

機関誌部よりアンケート調査のお願い

 

「日本児童文学」では,7-8月号で「特集 幼なじみ」を予定しています。

そこで、編集部100人調査「「幼なじみ」と聞いて思い出す、児童文学の登場人物は?」を実施します。

メールにて megumiokuyama18@gmail.com  までご回答お願いいたします(どなたでも。回答者のメールアドレスを他の目的に使用することはありません)。

 

回答例)  ○○○と○○○ (『(作品名)』作者または出版社)

 

・児童文学(子どもから読める)作品の登場人物に限る。

・日本、海外問わず。

・男女問わず。

3月末しめきり 回答が100人になりしだい終了します。

 

 

11-12月号 特集「猫とファンタジー」掌編募集

 

【応募資格】 児文協会員限定

・猫をテーマとする非日常物語

・6月末しめきり

・26字×80行
・児文協事務局 猫の掌編係あて

6月末しめきり メール、郵送どちらもOK

 

 みなさんからのご応募、お待ちしております!

 

奥山

 

2021/02/05

2021年もよろしくおねがいします!

機関誌部ブログをご覧のみなさま、こんにちは。
2021年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
『日本児童文学 2021年1・2月号』は、もうお読みいただけましたか?
“ディスタンス”というテーマから生まれた作品の数々。
詩・俳句・短歌・短編・掌編・エッセイ・ノンフィクション、様々な角度からの“ディスタンス”が描かれています。
新連載もスタートしました。
佐藤まどかさん・作『仮想家族(ヴァーチャルファミリー)』は、第一回「大雨と胸騒ぎ」です。
主人公の中2の裕(ゆう)は、父・母・姉との4人家族。ドローンがピザを配達し、ヴァーチャルのモデルが人気という時代。裕が家族に感じている様々な感情を、テンポ良く語っていく。姉の麻とのやりとりが面白い。裕の母への愛情にはホロリとする。しかし、ラストはゾッとするような場面が……。
私も次号が楽しみです!
 
1月20日(水)に、第七回編集会議をオンラインで行いました。
まずは、1・2月号の感想から。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
*俳句と短歌が好評。同時掲載することで、俳句と短歌の違いを知ることができた。俳句・短歌は年齢の囲いがなく、読み手ひとり一人の感性で決められる。
*「ノンフィクション」指田さんの作品が読みやすく、とても良かった。
*紙がクリーム色からより白くなったが、違和感はない。むしろ写真を掲載するには写りがよくなった。
*掌編の挿絵をなくしたが、すっきりとしていて良い。タイトルのフォントを作品に合わせて変えていることで、挿絵なしでも雰囲気づくりが出来ている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
などの発表がありました。
読者の方の感想もいただきたいです! ぜひ、感想をお寄せください☆
 
7・8月号、9・10月号についても、詰めていきました。今回も“言葉”の持つ力について考えさせられました。伝えたいことが伝わるように、まだまだこだわっていきます。
次回の部会は2月17日です。
また、ご報告いたします!
 
山﨑
2021/01/27

新体制の機関誌部、始動しております☆

みなさま、こんにちは。

今期の機関誌部ブログ更新を担当いたします山﨑と申します。

宜しくお願いいたします。

 

2020年夏、奥山恵編集長率いる新体制の機関誌部がスタートしました☆

(前編集長の高橋さん、4年間お疲れ様でした! 高橋さんからの襷、繋げていきます!)

メンバーは奥山恵(編集長)・相川美恵子・小川英子・指田和・次良丸忍・せいのあつこ・東野司・間中ケイ子・山﨑道子の9名。

新体制始動ということで、まず初めに編集長の奥山さんからのご挨拶をお届けいたします。

 

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こんにちは。

6月に、歴史ある雑誌の編集長を務めることが決まり、

当初はプレッシャーに押しつぶされそうでしたが、

たいへん心強い編集委員のみなさんと、

毎月会議を重ねていくうちに、

議論が深まり、新企画や特集テーマが練り上げられていくのが、

やっと少しずつおもしろく感じられるようになってきました。

 

新編集部最初の号は,創作特集ですが,

じつは、私自身が短歌を作っていることもあり、

今回のこだわりとしては、詩・短編・掌編に加えて、

俳句・短歌・エッセイ・ノンフィクションなど、

さまざまな創作表現を集めたことです。

特集テーマは「ディスタンス」。

もちろん、新型コロナで広まった

「ソーシャル・ディスタンス」という言葉も連想されますが、

このテーマを決めるときに、委員の指田さんが、

「From  A  Distance」という歌を思い出したと言ってくださり、

この歌のもつ地球規模の視野に改めて感銘を受けました。

「You  Tube」でも聴けると思いますので、

ぜひ、聴いてみてください。

 

それから、「日本児童文学」の顔ともいえる表紙を,

今回、味戸ケイコさんにお願いしました。

味戸ケイコさんといえば、絵本や児童書にこれまでもたくさんの絵を描かれていて、

ただ明るいだけではない、子どもの影の部分も含めた印象的な絵がたくさんありますが、

じつは今年、奥山が千葉県柏市でやっている本屋「ハックルベリーブックス」で、

味戸ケイコさんの原画展をさせていただき,

コロナの中でのいろいろなやりとりで、味戸さんのお人柄にも触れて、

ぜひ表紙をお願いしたいと思ったのでした。

味戸さんの絵は、5-6月号まで続きます。

さっそく新年号にすてきな絵が届きました。

降りしきる雪の中を鳥の背に乗り、一冊の本を抱えて飛ぶ女の子、

遠くの町や空のむこうのかすかな青空…。

いろいろなことを思わせる表紙絵です。

 

この絵の力に背中を押されて、これから2年間、

豊かな児童文学の世界に飛び出していきたいと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。

奥山恵

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部会も今月で第六回。(ちなみに第一回は7月15日。全六回ともzoom会議です)

すでに、2022年の特集についての話し合いをしています。

たくさんの人が手に取りたくなるような機関誌を目指して、アイデアを出し合っています。

zoom会議で画面越しですが、奥山編集長はじめ、みなさんの熱い想いがビンビン伝わってきます! 

私はいまだに緊張しっぱなしですが……。

マスクなしで顔を合わせることも緊張の要因のひとつかもしれません。

口紅が久しぶりすぎて“口紅って賞味期限あるのかな”と感じたり、うす~く塗ったのにやけに厚化粧に感じたり。

毎回部会に参加する我が家のサビ猫。サビ猫がひざに乗ってきても動きが目立たないように、服は猫の保護色を選んでいるなど、へんてこな配慮や見た目を気にしている自分に笑っております。

 

次回の部会は1月20日です。

また、ご報告いたします!

 

山﨑

 

2020/12/18

糸魚川児童文学セミナーにぜひご参加を

  日本児童文学者協会の「糸魚川児童文学セミナー」の成功に向けて、本誌は9・10月号に特集を組む。題して「雪国が紡ぐ物語――新潟と北陸の児童文学」。
 越前、越中、越後の「越の国」と「加賀の国」の特集になるわけだが、越後新潟の糸魚川の児童文学作家、横沢彰氏にも、特集の中で自作を語ってもらう。
 そんな横沢氏のご息女でタレントとしても活躍されている横澤夏子さん主演の映画「えちてつ物語」が封切られた。舞台は越前、福井県の「えちぜん鉄道」。横澤夏子扮する車内アテンダントの物語だ。
 パンフレットのコピーがいい(映画もよかった)。「福井県の青い空の下。〈えちぜん鉄道〉を舞台に、あたたかい感動が日本中を駆け抜けます!」。また別のコピーには「心の故郷が、ここにある―。」
 「糸魚川児童文学セミナー」のオープニング飾ってくれているような映画だった。
 『日本児童文学』も雪国の暮らしに「心の故郷」を探そうとした。作品を「雪国が紡いだ世界」と捉え、新潟県在住の作家、杉みき子さんを訪ね、インタビューをする。ご期待ください。 (編集長 高橋秀雄)
 

2019/06/14

11・12月号のご感想を紹介します

北海道の澤出真紀子さんより、11・12月号のご感想をいただきました。
本誌でご紹介したいのですが、誌面の関係で難しいので、このブログに掲載させていただきます。(編集部)


 今年から連載のはじまった細谷建治さんの評論「児童文学批評というたおやかな流れの中で」がとうとう最終回を迎えました。毎回楽しみに読んでいた読者のひとりとしてはさみしい限りです。「へいわかるた」が「げんきかるた」へと変わっていたときの衝撃について読んでいて、ある作品を思い出しました。
  日本児童文学者協会から1998年に刊行された『北海道の童話 1』(リブリオ出版)所収の、井上二美さんの「朴さんの宝もの」という戦争児童文学です。本が出版されてすぐこの作品を読んで二十年近くが経ちました。わたしの記憶のなかでは、戦時中、日本にいて虐げられていた朝鮮人の家族を良心的な日本人の家族がたすける物話でした。ですが、作品を改めて読み返してみたところ、日本が敗戦した年の樺太が舞台となっており、苦しい生活を送る日本人家族を、同じ下宿の朝鮮人の朴さんが折に触れて助ける話でした。朴さんにお礼を述べつつも、日本人の家族がようやく祖国へと引き揚げることになった前日、父親は嬉々として「あしたの出発は、日本晴れだぁ!」と叫ぶのです。その瞬間、読み手のわたしにはその言葉が「日本万歳」と響いたのでした。日本にいたときには炭坑で日本人になぐられ、ひどいめにあい、家族とも離ればなれで今も朝鮮に帰ることのできない朴さん。その朴さんの前で不用意にも「日本晴れ」という無神経さ。あの作品が、朴さんに感謝しながらも、無意識のうちに朝鮮人を下にみている日本人のエゴをあぶりだしている作品ならわかるのです。しかしながら、作品は残念なことに善良な日本人という枠組みから抜け出ていないと言わざるを得ませんでした。感謝という善意の底に潜む欺瞞。善意の持つ危うさ。嘘に込められた真実。嘘よりも善意の方がより戦争に近いのだと思いました。そして、いつのまにか都合よくすりかわっていたわたしの記憶。わたしのなかにも確かに刷り込まれている、朝鮮のひとに対する優越感に気づかされ、はっとなりました。
  <特集 子どもたちはどこへ>は、どの論も読み応えがありました。なかでも、とりわけ野澤朋子さんの評論「世界の片隅の人間」に深く共感いたしました。芹沢俊介氏の『「存在論的ひきこもり」論』を引き、「自分が自分であるために必要な『存在論的ひきこもり』」について言及している点、特にひきこもりの肯定的側面にふれているところはうん、うんと頷きながら読みました。「他者を受容することは、自己の受容となり」、そのことは同時に、自分が誰かのそばにいる他者となることを意味します。折出健二氏はその著書『他者ありて私は誰かの他者になる』のなかで、次のように述べています。
「みずから弱き人間である自分が、誰かに対して『いつもあなたのそばにいる』と言えるのは、自分の中に宿している類的な存在、自分が誰かの他者として生きる能力(他者性)をすなおに表現する生き方なのです。それは、あなたのそばにいることで、あなたも私のそばに居続けて欲しい、というメッセージを含んでいます」と。
  ひとはひとのなかで、ひとになります。ひととの出会いで変わっていきます。ひとは生きづらさを抱えながら、抱えている現在だからこそ、均質的でない固有のつながりを他者と結んでいけるのだと、野澤さんの評論を読んで感じました。
  民主教育研究所で発行している『季刊 人間と教育』95号(最新号)の特集は、「子どもの貧困ー子ども・若者支援とその課題」で、今号の『日本児童文学』と併せて読むと、現代の子どもたちが置かれている状況が、よりいっそうわかります。「季刊 人間と教育」95号から、赤木かん子さんの新連載「児童文学なんてありませんっ!」がはじまりました。今号の『日本児童文学』においての村中李衣さんの次の指摘と呼応しているかのようでした。
「生きづらい子どもたちの現在を映し出していると評価された日本の児童文学作品を集中して読んだ。そこで強く感じたのは、読み手である私の『リアルな身体性』を揺さぶるような作品が少ないということだ」。
  「児童文学の終焉」ということも囁かれている今日ですが、村中さんが論の最後に「児童文学は、社会を変えたりはできない。でも、たった一冊の児童文学作品と出会った子どもが、新しい一歩を踏み出す可能性はある」と述べている言葉をしっかり胸に刻みつつ、これからの赤木かん子さんの評論の展開をみつめていきたいと思います。
  『日本児童文学』を足掛かりにして、いろんなことについて考える機会をいただきました。次号も楽しみにしています。どうもありがとうございました。(北海道・澤出真紀子)

2017/11/30